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1 会社の財産を守る
弁護士 永渕友也
弁護士法人グレイスは、社以上の企業様と顧問契約を取り交わし、中小企業から大企業まで様々な規模の企業様に法的サービスを提供しております。また、顧問契約を頂いている企業様の業種も、建設業、運送業、IT関連、医療機関等、様々な分野に及んでいます。
私たちは、日々、顧問先企業様からご相談をいただいておりますが、その中でも職員による会社財産に対する不正行為の相談が少なくありません(従業員の不正行為には、横領、背任、詐欺等様々なものがありますが、このページでは便宜上、これらをまとめて横領と呼びます)。
相談にいらっしゃるのは経営者の方、幹部役員の方が多いのですが、どの方も、信頼していた職員に裏切られたことで大変なショックを受けてらっしゃいます。また、会社の規模によっては、会社財産を横領されたことで、財務が大きく傾くこともあり、今後の経営の不安を吐露される方も多いです。
横領犯が奪った会社財産は、創業者や役員、多くの真面目な従業員の方が築き上げた血と汗の結晶と言っても過言ではありません。こうした大切な会社財産を不正に横領し、私腹を肥やす犯人を絶対に許してはなりません。また、奪われた財産は本来会社のものですので、犯人から取り戻さねばなりません。これを許してしまえば、真面目に勤務する他の職員のモチベーションに影響します。このような点からも、犯人によって奪われた財産は必ず取り戻す必要があります。
私たちは、多数の企業様から職員による横領の相談を多く受ける中で、このような思いを強くしました。
奪われた会社財産を犯人から取り戻し、会社の財産を守りたい、これが私たちが横領問題に力を注ぐ理由の一つです。
2 罪を償わせる
会社財産に対する横領は、犯罪です。
もっとも、企業内横領の事案について、警察等の捜査機関は、捜査を開始することに消極的です。これは、企業内の横領が、一見すると、企業と従業員の民事上の問題の側面を持つことに由来すると考えます。実際、私たちが、企業様からの横領の相談に乗っていると、「警察がとりあってくれない」「もっと証拠を集めないと動けないと警察から言われた」といったことをおっしゃられる方がとても多いです。そのため、泣き寝入りするしかないのかと諦めかけている経営者の方が多いです。
しかし、犯罪に対して泣き寝入りする必要は全くありません。会社財産を横領した犯人に対しては、毅然と対応し、罪を償わせるべきです。逃げ得を許してはなりません。
犯罪の証拠を集め、捜査機関に対し、刑事告訴を行いましょう。
捜査機関は、ある程度の証拠を集め、弁護士によって法的にしっかりと構成された告訴状を受理すれば、捜査を開始してくれます。私たちは、これまで多くの横領問題を解決する中で培った証拠収集のノウハウ、告訴状作成のノウハウを持っています。
横領の証拠を集めて刑事告訴を行い、犯人を起訴し、有罪判決を取って犯人に罪を償わせるのです。
3 再発防止と企業の健全な発展
企業内で横領が発生した場合、その被害は会社の財産の喪失に留まりません。
従業員が疑心暗鬼になり、従業員同士の信頼関係、会社と従業員の間の信頼関係が壊れてしまうことがあります。また、取引先からは、セキュリティや社内管理が甘いのではないかと思われ、取引先の信用も失いかねません。
会社財産に対する横領が発生した場合、犯人を特定して刑事告訴を行い、刑事手続を通じて犯人を罰するとともに奪われた財産を取り戻す、こうした毅然とした対応を会社がとることが非常に重要です。このような対応を会社がとることにより、誠実な従業員は会社に対する信頼を厚くし、取引先の信頼も維持することができるだけでなく、横領の再発を防ぐこともできます。
また犯人の責任追及とあわせて、なぜ横領が発生したのか分析することも重要です。横領発生の原因を分析し、二度と同じことが発生しないように、社内の体制を整備していく必要があります。私たちは、様々な規模、様々業種の企業様に法的サービスを提供することで、企業の規模、業種に応じた最適な再発防止体制についてのノウハウを構築しています。
4 我々は横領犯を絶対に許さない
我々は、横領という不正を許しません。
会社の横領問題でお悩みになっている方がいらっしゃれば是非ご相談ください。
私たちが全面的にサポートいたします。
私たちと一緒に、会社財産の横領行為に対し徹底的に戦っていきましょう。
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経営者の立場からすれば、横領された金額全額を返還させることは当然として、既に支払った退職金についても返還させたいと思われるのではないでしょうか。また、併せて刑事処罰も受けてほしいと思われる方も多いでしょう。