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2025年2月28日

相談内容

 X社(代表者A)は本社以外に複数の拠点を有する食品加工業を営む会社である。X社には複数の取締役が就任していたが、そのうちの取締役YはX社の一拠点の責任者でもあった。

 Yは同拠点において代表者Aも他の取締役も与り知らない状況下で、Y自ら及び第三者の利益を図る目的で取り扱う食品の産地偽装工作を行っていたことが判明した。

 X社はこれにより行政指導を受けることになったほか、その社会的信用が一気に失墜し、従前の事業を継続することが不可能となった。そこで、弊所がX社からYを被告訴人とする告訴状を作成・提出してほしいとの相談を受けた。

問題のポイント

 Yに会社法上の特別背任罪が成立するか。特に、Yに図利加害目的が認められるかという点が大きな争点となった。

解決内容

 会社法上の特別背任罪を告訴事実とする告訴状が正式に受理された。

弁護士の所感

 背任罪とは、他人のためにその事務を処理する者が、自己もしくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えた場合に成立する犯罪です。

 この罪は刑法上の犯罪ですが、一定の地位にある者が同じ行為に及んだ場合には、会社法が「特別背任罪」として刑を加重した犯罪を定めています。本件は、この「会社法上の特別背任罪」を告訴事実として、告訴状を提出したところ、これが正式に受理された点に大きな意義があります。

 また、もともと背任罪は他の犯罪よりも事件として受理されるのが比較的難しい傾向のある犯罪類型ですので、その意味でも有意義な告訴状受理であったといえます。

【著者情報】


2001年 京都大学法学部 卒業

2014年 ボストン大学ロースクール修了(LL.M. in Banking & Financial Law)

北陸電力株式会社、検察官を経て、2007年に弁護士となる

以後約16年間シティユーワ法律事務所に所属し、2023年より弁護士法人グレイスにて勤務

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