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2023年10月16日

相談内容

 相談者様は、創立後約10年の会社の副社長です。創業当時から一緒に働き、現在は地方の支店長を任せている仲間に不自然な動きがあり、横領ではないかと疑っているとのご相談でした。疑うきっかけは、副社長が地方支社に出張で現地社員から聞いた取引について、報告されるべき事項が報告されていないことにありました。副社長は違和感を持ち、調べたところ、他の取引やお金の流れにも怪しい点があり、今後の進め方を教えて欲しいとご相談をいただきました。

問題のポイント

 どのように証拠を集め、本人に横領を認めさせ、被害の全容を明らかにすると共に、被害弁償を行わせるか

解決内容

 支社の社員・取引先から話を聞き、メール等のやり取り、お金の流れを裏付ける資料を集め、本人に自白させました。

弁護士の所感

 支店の典型的な横領事案でした。未成熟な企業は経理等のシステムにコストを割けず、管理が杜撰な傾向にあります。また、本部への窓口でもある支店長に権限が集中してしまうと支店の動きが把握できなくなります。本件では本社との取引を継続したい取引先からの証言が大きな決め手となり、客観的証拠を集めることができました。もっとも、事情聴取の場では、会社の人が聞いても本人は言い逃れをしてきました。弁護士が証拠を持って、論理的に矛盾点を突く等の技術を駆使することにより、本人も観念して自白をさせることができました。

【著者情報】


2001年 京都大学法学部 卒業

2014年 ボストン大学ロースクール修了(LL.M. in Banking & Financial Law)

北陸電力株式会社、検察官を経て、2007年に弁護士となる

以後約16年間シティユーワ法律事務所に所属し、2023年より弁護士法人グレイスにて勤務

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