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1. 横領されたお金を返してほしい

会社のお金を横領された場合、そのお金を取り戻すためには、どのようにすればよいのでしょうか。その手順について考えてみたいと思います。

2. まずは証拠を集めましょう

これまでにも何度もこのコラムで触れてきたとおり、お金を返してもらいたいときでも、まずは横領に関する証拠を集めることが重要です。言い逃れができないと観念させられることより、返済に前向きになる従業員もいることから、証拠集めは入念に行いましょう。

3. 返還請求の相手を検討しましょう

会社のお金を横領された場合、原則として、その返還を求める相手は当然、横領した従業員本人です。とはいえ、横領をする従業員は、もともと浪費癖や借金癖があることが多く、横領した金銭はすぐにギャンブルや飲食、借金返済等で使ってしまっていて、めぼしい財産がないこともままあります。

そのようなときには、身元保証書が差し入れられているかを確認しましょう。雇用契約締結に当たり、身元保証書が差し入れられている場合には、身元保証人にも責任を追及していくことができる場合もあるからです。もっとも、身元保証書については、有効期限が3年から5年の間に限られ、自動更新は認められておらず、保証金額の上限を記載する必要があるなど、有効な保証書と認定されるための要件がいくつかあるため、注意が必要です。

有効な身元保証書が差し入れられている場合には、従業員本人に加え、保証人にも返還を請求していくことになります。

4. 財産を確認しましょう

返還の原資として何がありそうかを事前に把握しておくことが必要です。財産を把握しておけば、交渉中に横領した従業員が「金はない。」と開き直った場合でも、「この財産を換金して金を工面してほしい。」などの具体的な金策の提案をすることができます。また、将来的に交渉が決裂した場合には、その財産の仮差押えなどにより、勝訴判決が出た場合に確実に回収できるよう、事前に準備することもできるからです。

具体的に確認すべき財産は、自宅と生命保険です。

自宅が持ち家の場合、自宅の仮差押えを検討することができます。他方、自宅が高級マンションであった場合は、敷金が高額になることが多いので、敷金返還請求権の仮差押えを検討することができます。このようなことから、横領した従業員の履歴書に記載された自宅の土地や建物の登記情報を調べて、権利関係を確認しておくのがよいでしょう。

生命保険は、もし横領した従業員が加入していれば、保険を解約した際の返戻金で弁済するよう提案することができます。生命保険に加入しているか否かは、年末調整の際に提出される「給与所得者の保険料控除の申告」書類を確認しましょう。

5. まずは話合いの場を持ちましょう

ここまでの準備が整ったら、まずは横領した従業員と直接話し合う場を設けることがよいと思います。話し合いの結果、従業員が横領を認め、返済することに合意するのであれば、もっとも迅速に被害金を回収することができるからです。

従業員が横領を認め、返済の意思を示した場合には、簡単でよいので、そのことを書面に残しておきましょう。内容として書いておくべきことは、横領した時期、回数、方法、金額、横領したお金の使い道、一人でしたことなのか、仲間としたことなのかなどが重要です。できれば、文章は従業員本人にその場で考えさせて書かせるのがよいでしょう。

また、分割での返済を認めるときは、できるだけ最初の返済の額が多くなるように交渉しましょう。初期の頃は返済の意欲が比較的高いので、その間にできる限り多くの金銭を回収しておいた方がよいと考えます。

さらに、分割払いの場合には、一度でも支払いを怠った場合には、残額を一括で払わなければいけないという期限の利益喪失約款を入れておくことも重要です。これにより、毎回きちんと支払わなければいけないというプレッシャーをかけておきましょう。

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